源泉徴収の事務と年末調整について

源泉徴収の事務と年末調整について

会社が給与を支払うときは、一定の源泉所得税を徴収してから支給しなければいけません。徴収した源泉所得税は、会社が国へ源泉徴収額として納付します。

扶養控除等申請書で扶養者の数を把握する

会社の従業員は、毎年扶養控除を受ける家族の氏名、生年月日などを記載した「扶養控除等申請書」を会社に提出します。この申請書をもとにして、会社は扶養者の数を把握します。

源泉徴収事務をする際には、扶養控除等申請書の提出があった従業員の給与について源泉徴収税額表の甲欄に記載された金額で源泉徴収します。また、扶養控除等申請書の提出がなかった従業員の給与については、乙欄に記載された金額で源泉徴収します。

年末調整で源泉徴収票を作成する

甲欄を使用した従業員が、年末に在籍している場合には、年末調整によって1年間の年税額を計算して個々に調整し、源泉徴収票を作成して本人に手渡しします。退職した人や乙欄を使用した従業員の分は、年末調整をせずに源泉徴収票を作成して、本人に手渡しします。

書式は全部で4枚ある

源泉徴収票は、「受給者交付用」「税務署提出用」が各一枚、「市区町村用提出用」は、「給与支払報告書」という名称に変わりますが、同じものを2枚作成します。

源泉徴収

報酬や料金については、支払い先が会社のときは源泉徴収する必要はありません。また、相手が個人の時でも、業務の内容によっては源泉徴収する必要がありません。日本に短期滞在している外国人を雇った場合は、ケースによっては、20%の源泉徴収をする必要があります。

源泉徴収についてもっと詳しく

源泉徴収とは、給与や報酬を支払う事業者(会社)が給与の支払い時に、所得税などを差し引いて国などに納付する制度のことを指し、給与明細には所得税として記載されます。

源泉徴収された所得税の額と、実際に支払うべき金額の差額を調整するために、公務員や会社員の場合は年末調整、個人事業主の場合は確定申告(※)などの制度が設けられています。

※所得税法で定められた職業に該当する個人事業主への報酬が発生する場合には、一般的に支払金額の10.21%を所得税として源泉徴収し、税務署に納付する義務を支払い側が負う。

源泉徴収制度が導入されている理由は、効果的かつ効率的に徴税をすることができる点にあります。

一方で、納税者の中での納税意識が薄れてしまうという問題点もあります。

源泉徴収の種類と対象

代表的な源泉徴収の対象となるものには、給与所得があります。
一方で、給与所得ではありませんが、次に挙げるものも源泉徴収の対象になります。

  • 原稿料や講演料など
  • 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  • プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
  • 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
  • ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
  • プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  • 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

源泉徴収税額の計算方法

源泉徴収税額の計算は所得の内容によって異なりますが、報酬についての源泉徴収税額は、基本的には以下のように行うことになります。

1回で支払う金額が100万円以下の場合の計算方法

源泉徴収税額 = 支払金額 × 10.21%

例)支払金額が10万円の場合の源泉徴収税額
10万円 × 10.21% = 10,210円

1回で支払う金額が100万円を超える場合の計算方法

源泉徴収税額 =(支払金額 – 100万円)× 20.42% + 102,100円

例)支払金額が200万円の場合の源泉徴収税額
(200万 – 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 306,300円

徴収された税金は、だれがいつまでに納付?

源泉徴収で差し引かれた所得税は、源泉徴収義務者である雇用主もしくは報酬の支払者がまとめて国に納付します。対象となる所得が支払われた月の翌月10日までに納付が必要となります。

ただし、1人もしくは2人の家事使用人に対しての給与や、自分だけで事業を行っている個人事業主が支払う税理士報酬などは源泉徴収をする必要がありません。

また、従業員が10人未満の場合は、毎月の納付ではなく、年2回の納税に変更をすることも可能です。

この特例を適用するためには「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し、所轄の税務署長から認可を受ける必要があります。申請が通れば、年2回のまとめて納付となり、1月から6月までの源泉所得税を7月10日までに、7月から12月までの源泉所得税を翌年1月10日までに最寄りの税務署に納付する形になります。こうすることにより、猶予された源泉所得税を運用し、資金繰りを容易にすることが可能です。

確定申告を忘れずに

確定申告の際に、源泉徴収により差し引かれている金額の申告を忘れないようにしましょう。確定申告を行う際は、1年間の収入や費用を基礎に正しい年間税額を算出し、これと前払いした源泉徴収税額を精算します。源泉徴収税額は収入金額に一定割合を乗じて単純に算出する仕組みのため、源泉徴収税額が確定申告を通じて算出した年間税額を上回るケースもあります。このような場合は、確定申告を行うことで源泉徴収税額の還付を受けることができます。

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